JA三重南紀統一選果場では、8日から特産品の「サマーフレッシュ」の出荷が始まった。今年産は昨年の夏の干ばつが原因で、小玉傾向となったため心配されたが、4月のまとまった雨で例年どおりの大きさに仕上がった。糖度も、例年よりやや高い傾向にある。
「サマーフレッシュ」は、はっさくと夏みかんを交配させた品種で、晩かん類では最も収穫期が遅く、収穫期に翌年の果実になる花が咲く珍しい品種。地域の個性的な農林水産資源を発掘する三重県のバイオトレジャー発見事業で、2011年度に選定された自慢の柑橘だ。プチプチした果肉とさわやかな風味が特徴で、初夏の汗ばむ陽気に最適だという。ほぐれやすい果肉は、鉄火丼のすし飯やちらし寿司の具として使ったり、果汁は焼酎のサマーフレッシュ割りにしたりと、いろいろな方法で楽しめる。
出荷量は昨年並みの48トンを見込んでいる。福島を中心に名古屋市場へも5月中旬頃まで出荷される。
同JAサマーフレッシュ部会では、4年ほど前からサマーフッレッシュの生産者を増やそうと、農家への推進も行っている。同部会役員の市川茂昭さんは、「他の柑橘に比べて病害虫に強く、農薬もほぼ使用しない。比較的作りやすく低コストで生産可能な特産品をもっと多くの農家や新規就農者に広めたい」と話す。