三重県松阪市で23日、第65回松阪肉牛共進会が開かれ、最高位となる優秀賞1席に、松阪市の永田憲明さん(47)が出品した「おふくひめ」が輝いた。永田さんは「毎年1席を目指してやっているのでうれしい」と喜びを語った。共進会後のせりでは2350万円の値がつき、株式会社朝日屋(津市)が落札した。せりの平均値は283万4000円だった。
同共進会は、兵庫県産のもと牛を、決められた地域内で900日以上肥育した「特産松阪牛」を対象にしたもの。50頭が出品され、審査員5人が肉付きや毛並みなどで審査した。今年は5年に1度の記念大会として、松阪肉牛の品質向上や生産振興に貢献した功労者の表彰や、餅まきを行なったほか、市制10周年プレイベントとしてメモリアル花火大会も行われ、関係者や地域住民らでにぎわった。
「おふくひめ」は、父が「丸福土井」、母の父が「福芳土井」。2011年2月7日生まれで、体重は688㌔。出品された松阪牛はどれも品質の良いものだったが、その中でも「肉付きにボリューム感があり、バランスが良い。毛並みも良く、横から見た曲線がなめらかで張りもあり、きれい」と絶賛された。審査員全員の意見が一致して受賞が決まった。
永田さんは「おふくひめ」について、「エサもよく食べ、病気もせず、手のかからない牛だった。松阪牛独特のやわらかい毛は近年ではなかなか出ない良さだ」と自信を見せた。
永田さんは父親の代から約50年松阪肉牛を肥育し、優秀賞1席の獲得は父親が10回、永田さんも今回で3回目。「何回取ってもうれしいもの」と笑顔で語った。
写真=優秀賞1席の「おふくひめ」と永田さん(23日、三重県松阪市で)
その他の優秀賞受賞者は以下のとおり。
▽2席=北村幸成「まるこ」(大紀町)
▽3席=畑敬四郎「はなひら」(多気町)
▽4席=岡本有喜「こすもす」(大台町)
▽5席=岡田一彦「ふくみ」(大紀町)