写真=「マルゴみかん」「五ヶ所小梅」の加工品を手に話し合う部員ら
JA伊勢マルゴ柑橘(かんきつ)部の女性らでつくる同JAマルゴ柑橘婦人部は2010年から、南伊勢町の特産品である「マルゴみかん(温州ミカン)」「五ヶ所小梅」を材料とした、2種類のゼリーの開発に挑んでいる。ほかにもアイスクリームやドレッシングの監修など、6次産業化に向けて意欲的に取り組んでいる。
ゼリーは南伊勢町五ヶ所浦地区に住む部員らが中心となり試作を重ねている。同町のブランド品であるミカンと小梅を使い、何か手土産にできる物を作りたいと考えたのがきっかけ。メンバーの一人、中村園子さん(58)は「若い人の果物ばなれが見られるなか、他産地に後れを取らないように、伝統の味を守っていきたい」と話す。
「マルゴみかん」のゼリーは、ミカンのしぼり汁をハチミツかグラニュー糖と、レモン汁で味付け。「五ヶ所小梅」のゼリーは、小梅と砂糖を約1カ月間漬けた梅ジュースを水で薄め、ゼリーにする。それぞれゼリーの下にパンナコッタを入れて2層にし、見た目にも涼しい。
部員らは同町の町民文化会館で定期的に加工研修を開き、商品化に向けて分量の調整などを行っている。ゼリーはこれまでにも農業祭などで無料配布し、消費者からの意見を集めた。
中村さんは「マルゴみかん」のゼリーについて「ミカンの収穫期以外でも、しぼりたてのおいしさをそのまま出せるようにするのが今後の課題」と話す。
また、同部では、「マルゴみかん」を使ったアイスクリームや、「マルゴみかん」と「五ヶ所小梅」のドレッシングの監修も行う。アイスクリームは今夏から販売する予定。
五ヶ所湾に面する南伊勢町では昔から、温暖な気候を生かして山の斜面でミカン栽培をしており、同JAマルゴ柑橘部の作る「マルゴみかん」は市場でも高い評価を得ている。
同JA梅部会の作る「五ヶ所小梅」は、湾からの潮風を受けて育ち、果肉の厚さと漬け上がりの鮮やかさが特徴。「みえの伝統果実」にも認定されている。