三重県内一のビワの産地として知られる、松阪市嬉野島田町の特産品「島田ビワ」の出荷が、16日から始まった。販売は、地元農家17戸で組織する「島田びわを育てる会」が同町内で開く「兄弟(おととい)市」で26日ごろまで行い、約3.5トンを直売する。
今年は、冬場の冷え込みで若干生育が遅れたが、霜や害虫の被害がなく、品質は上々に仕上がっている。品種は、甘みが強い「茂木」を中心に「田中」「大房」を栽培している。
同町は、すべての家にビワの木があることで知られ、1935年ころから、特産品の一つとして生産・販売していた。生産農家が減少した1980年ごろを境に一度途絶えたが、無農薬果実が脚光を浴びるようになった1996年に地域の農産物を広げようと同会を結成。生産者は、無農薬栽培や品質管理に努めるなど、甘くて、みずみずしい島田ビワに誇りを持っている。
直売は、午前7時の販売開始前から県内外の消費者が訪れ、長い列が出来ている。1キロ1200円で販売し、連日1時間で完売するほどの人気を呼んでいる。
三浦君夫会長は「収穫期間は短いが、甘みたっぷりの旬の島田ビワをたくさんの方に食べてもらいたい」と話す。