三重県茶業会議所は3、4日の2日間、亀山市の三重県農業研究所茶業研究室で伊勢茶品評会審査会を開いた。9市町から、普通煎茶68点、深蒸し煎茶78点、かぶせ茶66点の合計212点が出品され、各茶種最高位の三重県知事賞(1等1席)には、普通煎茶の部で大台町の木下辰美さん、深蒸し煎茶の部で大台町の西村光弘さん、かぶせ茶の部で四日市市の鎌田俊充さんを選んだ。木下さんと鎌田さんには農林水産大臣賞が、西村さんには農林水産省生産局長賞が合わせて授与される。
今年の一番茶は、収穫は平年より2日早く、収穫量も平年と比較すると減少したものの、昨年よりは増加した。他産地の茶は年に4~5回程度収穫するのに対し、伊勢茶は年3回までに抑えていることもあり、濃く、味わい深い茶に仕上がっている。
審査は、8月下旬に機械による成分分析を行い、3日に官能で判定する内質審査と外観審査を行った。それを踏まえ、4日は茶商業者による価格評価を行い、総合的に判断するという三重県独自の方法で受賞者を決定した。中でも官能審査が最も重視され、内質審査では香りや水色、味を、外観審査では茶の形、色、つやなどを13人の審査員が審査した。
同会議所の田中利宜会頭(72)は「6月に就任し、茶業を取り巻く情勢は厳しいと感じているが、茶の伝統を守るために尽力していきたい。2016年秋に三重県で開催する全国お茶まつりに向け、安全・安心な伊勢茶づくりにより一層取り組んでいく」と話した。
審査講評と入賞者の表彰は、12月2日に津市のプラザ洞津で開く第41回伊勢茶振興大会で行う。
そのほかの受賞者は次の通り(敬称略、かっこ内は市町)。
■普通煎茶の部
▽東海農政局長賞=大辻正俊(大紀町)
▽三重県議会議長賞=木下文代(大台町)
▽全国茶生産団体連合会長賞=西村守(大紀町)
▽全国茶商工業協同組合連合会理事長賞=中西智也(大台町)
■深蒸し煎茶の部
▽三重県議会議長賞=茶来まつさか㈱村田和也(松阪市)
▽日本茶業中央会長賞=西村陽子(大台町)
▽全国茶商工業協同組合連合会理事長賞=西村芳兵衛(大台町)
▽関西茶業協議会長賞=吉田英希(松阪市)
■かぶせ茶の部
▽東海農政局長賞=中西善行(度会町)
▽三重県議会議長賞=上田康博(鈴鹿市)